こんにちは
行政書士の野積です。
今回は、私の初体験(?)をご紹介します。
■はじめての「相続相談」
先日、知り合いのご婦人から、
相続に関するご相談をお受けしました。
私が、「今年の4月から、行政書士を開業します」
と話していたことを、憶えていてくれたようです。
私にとっては、実務初体験です。
(開業前なので、当然ながら無料です)
ご本人は独身、実家で母親と同居して、
ずっと面倒みてきました。
亡き姉の子供達(40代の甥、姪)が同居しています。
しかしこの子供達、住居費(光熱水費、税金等)を
負担せず、このご婦人が負担してきました。
そのような中、今後高齢の母親が亡くなり、
相続になっても、甥や姪には遺産分けしたくない。
そのような話もしたくないとのこと。
また、年金暮らしでもあり、
遺産分けするほどの財産もない。
あるのは、借地とその上にある古い家くらいです。
どうしたらよいでしょうか?
というご相談でした。
う~・・ん、と考え込みました。
で、どうしたか。
「母親の全財産をご本人(娘さん)に相続させる」
という内容の遺言を提案しました。
法律的には、甥や姪の遺留分を侵害していますが、
遺言としては有効です。
相談者にも、
「遺留分を侵害する内容である」
ことをご説明しました。
しかし、ご本人の強い希望があり、
それに沿った文案を作成しました。
遺留分の権利は、甥や姪が減殺請求をしない限り
実現しないこと。
相続発生を知ったときから1年たつと時効消滅する
などの事情も考慮しました。
ただ、身内というのは、感情のもつれから
犬猿の仲になってしまう可能性も大きいため、
ここは「付言事項」の利用もご提案しました。
「付言事項」には、
お母さまの気持ちをお書きくださいと。
たとえば
「娘の●●子には、最後まで世話になったので、
全財産を相続させたい。
皆も私の気持ちをくんで、もめないで欲しい」
この遺言、大変シンプルで、
いわゆる「一行遺言」と言われるものです。
名前のとおり、本文はたったの一行です。
しかし、この一行があるかないかで、
相続が発生した場合の手続きが全く変わってきます。
相談されたご婦人も納得され、大変喜んでもらいました。
初めてのご相談で、責任をヒシヒシと感じました。
ただ、相談者の安心された顔を見ると、
お役にたてて良かったと思いました。
今後とも、相談者に納得の提案ができるよう、
さらに勉強していきたいと思いました。
■■ 編集後記 ■■
相談を受けるて回答する、ということ。
相手の人生にも大きく影響することで、
とても緊張しました。
この緊張感、初心を忘れずに、
お客様第一の姿勢で
職務に取り組んでまいります。