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相続コンサルタント/FP/行政書士の野積です。

いつもブログをお読みいただき、
ありがとうございます。

■エンディングノートは遺言と同じ効果があるか

人の寿命も年々のび、多くの元気な高齢者が
活躍する社会となってきました。

その一方で、高齢化とともに、友人や家族の
死に直面する機会も増え、自分自身の人生の
来し方を振り返り、どう最後を迎えようかと
思いをはせることにもなります。

そのような時代的な背景もあるのでしょうか、
ここ10数年来、「終活」という言葉が、
だいぶ普及してきたように思います。

一応、この「終活」という言葉の意味を
確認しておきましょう。

一般社団法人終活カウンセラー協会という
団体のホームページに、「終活とは」という
記事があったので、ご紹介します。

「終活とは、人生の終焉を考えることを通じて
自分をみつめ、今をよりよく自分らしく生きる
活動」

終活とは、終わりに向けて身辺整理をする、という
後ろ向きのことだけでなく、スッキリして、前を
むいて、最後まで元気に行きていこう、という
ことと理解しました。

「エンディングノート」は、この終活を行う際の
重要なツールになります。

人間、頭であれこれ先のことを考えても、すぐ忘れて
しまいます。

そこで、「エンディングノート」を備忘録として
使う、というわけです。

私の思い出、家族への思い、介護が必要になったら
こうして欲しい、判断能力が下がってきたあとのこと、
私の財産の内容、葬儀のときに呼んで欲しい人。。
などなど。

これらのことを、思いついたら書き足していく、
という感じです。

もし、ご両親がこのノートを作成していたら、
ご両親の認知機能が低下してきたときに、自分の
親は元気なときに、一体何をしたいと思っていたのか
ということが良くわかります。

「そんなことは恥ずかしくて、書き遺せないわ。」
という方もいるかもしれません。

まあ、そういう場合は、誰に見せるということで
なくても、自分のために書いておくのでも
よいと思います。

親が亡くなり、相続の手続きを開始、というときに
この「エンディングノート」は、遺言書として
効果があるのでしょうか?

結論から申し上げます。
ほぼ「不可」です。

と言いますのは、遺言という行為は、民法に
その仕方が、こと細かく定められており、その定めに
ちょっとでも外れると、銀行、法務局、役所などで
「使えません」と戻されます。

普通の「エンディングノート」には、遺言内容を
書くようなページや様式はありません。

先日、相続に関するセミナー講師を担当したときに、
参加者にこのことを紹介したところ、意外の多くの
方が「えっ、そうなんですか!?」と、ビックリ
していました。

改めて整理しますと、
「エンディングノート」は、自分の来し方を振り返り、
これからの生き方を考えるためのツール。

一方、
「遺言」は、自分の遺産を誰に、どう分けて遺すかを
決める意思表示です。

その違いと目的をよく理解して、上手に使いながら
お元気に、生き生きと暮らしていきましょう。

■■ 編集後記 ■■

人は、人生の後半にさしかかると、様々
今までの来し方を振り返るものです。

私自身も今年66歳ということで、そのような
世代に入ってきました。

しかし、振り返るだけでは、面白くありません。

人は、死ぬまでは生きるわけで、そういう意味
では、図太く生きて、何か残していこう、という
気持ちも大切かなと思うこのごろです。

同世代の皆様、元気で健やかに。

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